Discover it every day and am absorbed every day.
感想を書くのが遅くなってしまいましたが、先日六本木クロッシング展へ行ってきました。
この展覧会はシリーズ展として、2004年から始まったそうです。
今回この展覧会の存在を初めて知ったんですが、もうこの告知のフライヤーを見た瞬間、
行かねばならないと言う妙な強迫観念に駆られてしまい…行って来たわけです。
だってこのフライヤー、私のドツボなんだもん…
まずは森美術館自体が初体験だったんで、ドキドキでした。
だってタワーの53階って…展望室のチケットも一緒になっていたので行ってみましたが、
天気も良かったので凄く良い眺めでした。東京タワーも眼下に見える高さです。
そこから更にエスカレーターを上って、森美術館入り口へ。
真っ白な壁の第1室目から、そこには背の高い彫刻群像。うおぉーすごいー。
人の2倍はあろうかと言う高さの、手足・首などの長さのバランスが崩れた犬の像。
素材はFRPという樹脂だそうですけど、半端に制作経験があるもんだからその凄さを実感。
当たり前だけど処理も綺麗だし、全然違うやぁ。
その後も次々と、今を活躍する若手作家の作品が目白押し。
かと思えば、60年、70年代のアートシーンを引っ張ってきた作家さんまで。
総勢36組のアーティストの作品を見ることが出来ます。
絵画、彫刻、写真、デザイン、映像、演劇、マンガ、ゲーム、人形、ペンキ絵…
などなど、作家さんによって表現形態も様々。
精巧な手仕事によって生み出される作品があれば、
考え抜かれたコンセプトによって作品化されたアートもあり。
あと、鑑賞者参を刺激する参加型作品も数多くあったのが印象的です。
佐藤雅彦+桐山孝司 「計算の庭」
例えば上の画像のこんな作品。画像にあるような白いゲートが6つありまして、
上部には「+5」とか「×3」とかいった計算式が書かれています。
鑑賞者はあらかじめ入り口で渡された、数字が記載されたカードを持ち、
そのゲートをくぐって計算をし、自分の数字が73にならないと出口から出られません。
カードにはICタグが埋め込まれているので、カードが辿った数字を出口は全て把握しています。
実際にやっている方も沢山いらっしゃいましたが、いやぁ、面白い。
鑑賞者がその作品に参加をする事で、ある意味、被鑑賞者となっている状態。
そしてその数字を辿る軌跡もまた、勘ぐればいくらでも深読みできる。
計算概念の視覚化ってのも、新しい試みです。
他にも、音に関するメディアアートなんかもありました。
音そのものに反応する映像プログラムで、プロジェクターで映し出される映像が、
双方に設置してあるのドラムからの掛け合いで、どんどん変化してゆく作品です。
音に合わせてリズムよく現れる映像は、シンプルだけれど気になる存在でした。
こんな風に参加型のものが多いと、何だかアトラクションみたいな感覚になってきます。
下手なテーマパークへ行くよりよっぽど面白いし、頭も使うから脳が潤ってきて新鮮。
かと思えば、徹底して美のみを追求した作品もあって、それはそれは溜息モノ。
美しい形、ということのみにこだわっている作品で、
その作品を見た瞬間は確かに、綺麗だな、としか思えませんでした。
漆を使っていたから、その艶がいいのはもちろんの事。
曲線を多用したシルエットカーブが何とも言えない美しさでした。
もう1つ思ったことが、真っ白な壁の会場を、上手く利用しているなって事。
ただでさえ部屋一面が真っ白だと異空間なのに、
さらにそこに作品が加わると、部屋そのものの存在が物凄いです。
作品も浮き立って見えるし、美術館でもないとなかなか体験できない空気です。
36組ものアーティスト作品を1度に見ることが出来る本展覧会。
1人の作家の作品をじっくり鑑賞するスタイルも悪くないけど、
沢山の作品を1度で見れて、いろんな種類の刺激を受けられるスタイルもなかなか好きです。
音楽の話になるけど、LIVEで言ったら、対バンみたいな感じだね。
こんなスタイルの展覧会も、もっと見に行きたいなと思いました。
最後ですが、ここのミュージアムショップが素晴らしく良かったです。
>>「六本木クロッシング2007:未来への脈動」展
会期:2007年10月13日(土)~2008年1月14日(月・祝)
会場:森美術館(六本木ヒルズ森タワー53階)
時間:(月・水~日)10:00-22:00、(火)10:00-17:00
休館日:会期中無休
入館料:一般1500円、学生(高・大)1000円、子供(4歳以上~中学生)500円
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